【磯に表札を】ホームグランドの地磯サボテン公園（宮崎県）編（第二話）

俺はパソコンに向かい真面目に仕事をしていると、バイブ設定の携帯が急に机の上で暴れだす。すぐさま携帯を手に取り、画面を見ると釣り仲間Kからだった。

 

目次

熱烈なラブコール
巨大な影

熱烈なラブコール

 

 

まぁ…お決まりの釣りの誘いだとわかっているが用件を念のため聞いてみる…

 

 

あぁ…やっぱり（笑）何ともわかりきったストレートな質問であった。

 

 

一旦電話を切った。さっそく船長に電話を入れ状況を聞いてみた。

 

 

 

 

と電話を切った。そしてすぐにKへ折り返す。

 

 

少し力ない声で

 

 

 

 

電話を切り再度パソコンに向かう。明日の為に何とか図面を仕上げないとヤバい。釣りに行けくなってしまう…黙々とマウスとキーボードを動かす事、早4時間半。少し小腹が空いたので買い置きのカップ麺を取り出しポットのお湯を注ぎ少し待つ間。

 

冷蔵庫からコーラを取り出し喉を潤した。時計に目をやるとすでに夜の21時を回っているではないか。

 

独り言…

 

 

眠たい目をこすりながらようやく最後のワンクリック。

 

 

朝にはKから電話があるのでしばしの睡眠をとることにした。玄関のドアを開け止めてある車のリクライニングシートを倒し横になる。やがて睡魔が心地良い深い眠りへと引き込んでゆく。

 

どれ位眠っただろう。ポケットで吠える携帯で起こされた。早速Kからの着信である。

巨大な影

 

 

朝ぱらからテンション高いKの声でボ～ッとしてた頭もすっかり目覚めてしまった。

 

 

と伝え船長に電話を入れてみた。やはりウネリがあるので船止めするとの事だった。

 

 

と返事して電話を切った。

 

事務所に戻り冷蔵庫から缶コーヒー2本取り出し車に戻った。同じタイミングでライトをつけたKの車が入って来る。

 

 

とドアを開け降りてきて

 

 

 

 

とあっさり。何と聞き分けの良い奴じゃ（笑）釣りができれば何でもよかったのか、と今更ながら聞くことはしなかった。

 

道具1式車に積み終え走り出した。途中にあるいつも寄らせてもらう釣具屋さんに立ち寄る。エサ集魚剤に小物を買い店を後にした。さっきまで外は暗かったが朝焼けで白々と海も黄金色で眩しい。

 

天気予報では曇り一時雨と言っていたが、この分だと何とかやれそうだなと自分なりに納得した。

 

走る事45分予定の時間通りに到着。もうすでに、何台かの車が止まっている。そこに常連の車も今日はおそらく多くなるはず。

 

沖が荒れて船止めになると、そんな釣り人が必ずってほどやってくる。道具一式背負い防波堤へと歩く。5、6分の道のりなので疲労感は全然ない。

 

こんな近場でデカイ奴いるので多くの人がやってくるのは頷ける。いつもの場所に荷物を置きまず挨拶にテトラに登って声をかける。これはいつもの慣例であり皆笑顔で答え手をふってくれる。

 

さて今度はコマセと仕掛け作りだ。まずコマセから作り。どちらかがコマセを撒き片方が仕掛けを作る。仕掛けが出来ると交代するようにしてる。

 

ここは時合が短く朝は2～30分ぐらいでほとんどが午後の時合でそれも3時から5時くらいまでと決まっている。いつものポイントに座を構え少しづつコマセを打つ。

 

エサ取りの金魚が待ってましたと群れてくる。偏光サングラスで見てると尾っぽの白いまあまあのクロがコマセを拾っている。

 

今、デカイ魚影が横切っていったではないか。

 

 

すると横でコマセを打っていたKが

 

 

何かわかっていたが黙っていた。

 

 

と仕掛けを入れた。

 

続く…

 

【磯に表札を】ホームグランドの地磯サボテン公園（宮崎県）編（第三話）