宮崎県南に位置する幸島。主に「北の鼻」という場所は、一般的にグレの好ポイントでもあると言われている。今回はそんな釣行思い出を綴ってみようと思う。
いざ幸島へ
仕事が一段落し、船長に電話を入れてみる。
もしもし。「鳥島」はほとんど乗ってるから難しいなぁ。あと幸島なら空いてるけどどうする?
じゃ~幸島でお願いします!
何時ごろになります?
今市内やから11時位かな?
じゃあそれくらいに待ってますとの事で船長の電話を切り、今度はエサ屋へ連絡。
もしもし、生(※生オキアミ)を1本お願いします!
と伝え、ワクワクする期待を胸に車を走らせた。
早速、店に寄り予約していたエサを受け取って、幸島向けて猛ダッシュ。予定通りに到着するといつものベンチで船長が待ってた。早々に荷物を積み込み船は幸島に向け走り出した。
ご対面
ここには昔からクラブの大会等でよく利用させてもらっている。割とホームグランドみたいなもので、仕事の合間を見て好きな時間にお邪魔させてもらっているのだ。この幸島は猿で有名な島で観光客も結構多く、また猿も人慣れしている。しかしながら、観光ではない我々はおサルさんは正直願い下げだ。
何故ならいつもは山の頂上にいるんだが、船が着くと猿たちがエサを求め降りてくるのだ。そして目を離している隙に、バックや弁当を小脇に抱え山に消えていく。しかも、クーラーやバックをしっかりロープで括っていてもバックのファスナーが少しでも空いてるものなら、人差し指を入れ上手いことファスナーを開けてしまう。
昔、そんな猿を殴り殺した釣り人がいて当時新聞の1面を賑わした。何と心無い釣り人もいるものだと、同じ釣り師として情けない気持ちにもなった事があったな。
そんな苦い思い出もある「幸島」。とはいえ、そういった障壁の裏側は魚影が非常に濃いフィールドでもある。様々な事を考えてるうちに幸島へあっという間に到着した。
今日は1人やから猿が来ん所の「北の鼻」のハナレに乗るか~?絶対猿は来んと思うけど。
初めて乗る瀬ではあるが猿さえ来なければ良しとし、「北の鼻」へ行くことを了解し瀬上がりする事にした。小さな瀬ではあるが幸島とはわりと離れていて、ここなら猿は大丈夫やなと思いながら撒き餌作りを始める。
すると。後ろをチラッと見ると、猿軍団が勢揃いして俺を凝視してるではないか。
え、話が違うやん船長。笑 これはヤバい!
その中の少し大きめなボス猿と目があう。俺も睨み返す。ひとまず結構離れてるから心配はないと思いコマセ作りに専念した。ようやく撒き餌も出来、瀬際にコマセを打ち始めた
コマセの合間合間に仕掛けを作り準備は整った。後ろを振り返ると相も変わらず、猿軍団はこっちばかり気にしてる。
多分腹減ってるだろうな~と思い、割と遠投出来るように固めの撒き餌を猿軍団のいる岩に目掛けてコマセを投げる。コントロール良くその岩にコマセがベチャとへばり付いた。すると、一目散に付いたコマセを手に取り食ってる 猿軍団員は多数いるんで何度何度も俺は投げた。
これがこの後予想だにしなかった出来事に見舞われるとは知る由もなかった。もういいだろうと1投目を投げ入れて釣り開始とした。
うん!潮はゆっくり上っているな。
これなら、何とかクロの顔が拝めるはずだろう。エサ取り姿もあまり見えず静寂な時間が過ぎてゆく。再び気合を入れなおし、ひたすら撒き餌をする。
その時、予想を超えた事件が起きる事になろうとは。
続く…
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