彼との出会いはもう20年前にさかのぼる。我がホームグランドである宮崎県の日南海岸の地磯へ。そのために今日は仕事を早く済ませ出掛けた。

 

目次
人気の釣り場 地磯サボテン公園
釣り開始

 

人気の釣り場 地磯サボテン公園


地磯サボテン公園に着くといつも通り車が多い。ここも最近クロのデカバン(50cmオーバー)があがり、そんな情報が広まってか平日でも釣り客が一挙に増えた。

 

この釣り場は大きく分けると主に3か所。

 

まず1番の人気は南の釣り場。2番目は北の釣り場。最後に東の釣り場となる。南では約10名、北は約6名、東は3~4名程入れる釣り場となっている。

 

時計を見るとまだ13時だった。まだ時合ではないだろうと駐車場に車を止めゆっくりと道具を降ろす。磯場に行く道が急な坂なので最低限の道具で降りてゆく。釣り場に着くと時間をかけてコマセ、仕掛けを作るようにしてる

 

今日は南の釣り場に入るつもりでいたが既に10名程入っている。まあその内入れるはずだろうとゆっくりする事にした。

 

ほとんどの人が朝一番から来てる人達なのでそろそろコマセも切れ帰る人が何人か現れる。それを見越して暫くコーヒータイムでゆっくり待つことにした。

 

謎の常連さん
謎の常連さん

こんにちは!あちらのポイント空きましたよ!

 

と言う声で目を覚ます(実は昨夜、徹夜したのですぐに爆睡)その方とはよく会うのだが、地元の方ではないらしい。

 

俺

ありがとうございます!空きましたか。もうやめられるんですか?

謎の常連さん
謎の常連さん

もう私はコマセも切れたんで、どうぞやってください!

 

笑顔で言ってくれた。俺はその言葉に甘えることにした。コマセを抱え釣り座へ移動する。竿は出さず少しずつ瀬際にコマセを打ち込む。サングラスから見れる世界は釣り人だけの魅惑の特権であり、ロマンと言っても言い過ぎではないだろう。

 

 

釣り開始

コマセを打つたびに湧き上がるエサ取り達が半端なく多い。魚影は濃いのだが、本命のクロを釣りたい。潮色は少し青みがかっている。上りが入っている証拠だった。込み潮8分ぐらいだろう。上り潮の本流の引かれ潮がはっきり走っている。瀬際に4沖目に1とコマセを打つこと30分が過ぎた。

 

俺は竿を握る。既に時計は15時30分を少し過ぎていた。左手に竿を握り右手はマキエ柄杓。最初に瀬際に寄せる波のタイミングに合わせコマセを3つ打った。エサ取り達がサングラスを通して映る。一呼吸おき一投目を振り込んだ。

 

相変わらず潮は沖へ沖へと00仕掛けを引いてゆく。そろそろ潮壁にぶつかるだろう。ウキももまれシモって行くだろうか。その時はすぐに訪れイメージ通りにシモって行く。この瞬間が一番緊張する。サミングしてた指で糸を押さえ張り気味で入れてゆく。

 

もう00ウキは視界から消え去り当たりを伝える術はもう糸の感覚でしかない。息を殺し糸を押さえた中指に全神経を集中する。そうすると。その1投目から当たるとは思いもよらず押さえた指から糸が弾き出された!

 

続く…

 

【磯に表札を】地磯サボテン公園 ある男の物語(後編)