まずは釣具屋さんに行き小物を買い込みエサの予約を入れて帰宅する。久々でもある宮崎県南日南市油津の1級ポイントである瀬、ヒゲバエの釣行の日がいよいよやってきた。ここヒゲバエには特別な想いがある、いつも乗るたびワクワクな気持ちにさせてくれる。そしていつも色んな夢をみさせてくれる、そんな夢がある「磯」だ。
随分昔の話 夏の始まりで暑い日の出来事の回想
とある日。いつものように船長にここでやれ!と一人でヒゲに乗せられる。朝早くから俺はいつものように竿出しをしていた。
いつも通りコッパクロと戯れ、飽きがきたら昼寝としゃれ込む。そしてどれぐらいたったのだろうか。すっかり寝込んでしまい降りかかる波のしぶきでパッと目が覚めた。
起き上がり海を見るとすっかり潮が満ち、鮮やかな青色に変わっているではないか。
オオ~いい色の上りが入ってきてる…
本当にこんなきれいな上り潮今まで見た事ない、余りの絶景に暫く海を見つめていた。ようやく気を取り直し竿を握りコマセを際に振り込む、腕時計はすでに3時を指している。
サングラスを通して海中を覗くと下でかなりデカイ奴がコマセを拾っているではないか。それを見ると身体に熱い血が駆け巡った。
早々に仕掛けをセットし一投目を振り込んだ、際にコマセを3つほど入れ当たりを待つ。
大物ヒット!果たして軍配はどちらに?
いつもながらこの緊張感がたまらなく好きで至福の時だ。流れゆく潮に馴染んだウキがシモリ始めた…
いけ、いけ…
オープンベイルにした糸を中指で押さえ穂先に全神経集中する。
「ギュン~!」
と穂先が海中に刺さり押さえた指から糸が出たのだ。
来た!これはかなりデカイ!!
糸から伝わる重量感が半端ない。ここでひとつの不安が浮かび上がってくる。際で食わせるとなかなか難しいし幾度となく痛い目をみている。
そんな過去の思い出が頭をよぎっている間。その一瞬を奴はやはり見逃さなかったのであった。
ため切ってた穂先が弾き戻った、奴に軍配が上がった…
リベンジ大物ゲットなるか
張りつめていた糸がひらひらと風になびいている、明らかに俺の負けを物語っていた。おそらくこのままじゃ同じ結果に終わると思い、奴らを沖に誘い沖で勝負しようと考えた。
運良く潮が沖へと払い出しその先には本流がいる、正に絵に描いたような好条件である。逸る気持ちを抑え仕掛けをやり直す、今度はシンプルな「全游動」でやってみる。
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仕掛けを振り込み潮の流れに乗せてゆく。次第にウキが沖へ沖へと潮壁に行ったのかウキが少しづつシモリ始めてゆく。所謂、そこが潮壁だ!
出していた糸を指で押さえ、しばらく糸を止めた状態で様子をみる。横に寝かせた竿を軽く引いてきいてみた。すると、いきなり「ゴンッ」と竿ごと持っていかれたのだ。
来た!狙い的中!
竿を起こす分だけ糸を出しベイルをロックした。それから強引にこっちを向かそうとするが中々奴もしぶとい。何度か竿でいなしているとようやくこっちを向いてくれた。
これでようやくこちらに主導権が取れた。それから何度かの締め込みをかわしようやくGETとなった。
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