これは以前、夜釣りで鹿児島の離島「黒島」に行った時の話。季節は熱い熱帯夜の日だった。もう二度と同じ過ちは犯さないと誓った時でもある。そんな他愛もない話。

 

目次
熱帯夜釣行
シブダイGETの代償

 

熱帯夜釣行


今回の狙いは「シブダイ」。後輩とともに夕方に瀬上がりして、即キビナゴのコマセをやりながら、

 

俺

暑いなぁ~!何か飲もや~?

 

後輩にイグロのクーラーを指さし、

 

▼ここでいう「イグロのクーラー」とは?「Igloo(イグルー)」世界的に有名なクーラーボックスの事を指す。かなり頑丈で釣り以外のスポーツ大会などでも活躍する代物。

 

俺

イグロにぎょうさん(沢山)入っとるやろ~!

後輩
後輩

ウーロン茶が2本しか入ってません!

俺

えぇ~!なんでやねん?ぎょうさん(沢山)買うて入れとったやろ?

後輩
後輩

え~!先輩が氷を買うてイグロに入れとけと言ってたやないですか。ウーロン茶を残しジュースをもう1個のクーラーに移しちゃいましたよ!

俺

何ぃ~!

 

後輩
後輩

先輩そのクーラーはどこにあります?

俺

え~??あれな…荷物になるから車に置いてきたわ…

後輩
後輩

 

呆然とし俺を睨む…あいつの視線がやけに痛かったな。

 

 

シブダイGETの代償


仕方ないと思い、残り少ないウーロン茶を二人分け合い飲んだ。その日はとにかく風もなく無性にモアッとするくらい暑かった…熱帯夜ってやつだ。すぐそこは海原なのに。飛び込みたい気分だったが命は大事。

 

後輩
後輩

あ!先輩きましたわ!

 

闇夜の静寂の中、後輩の声がいきなり響いた。ピトンにかけた後輩の竿のケミが揺れてた。慌てて合わせを入れやり取り開始する。そして、やり取りの末、ようやく良型のシブダイをGET。それから交互に当たりがあり、型も2kgクラスがイグロ満タン近くになった。

 

もうその時には飲み物はすでに無くなっていた。あの頃はまだ携帯なんてなく船長に連絡する手立てもなく、吹き出る汗を拭うだけが精一杯だった。さすがに明け方には2人とも喉がカラカラ状態で限界に来てた

 

俺

船迎え何時やったけ?

後輩
後輩

確か7時って言ってましたよね?

俺

そやったな…長いな…

 

もう喉はすでに限界にきていた。こうなったら最後の手段。イグロのクーラーの氷と水に手を出した。

 

口に一杯氷をほうり込み、それでも渇きが収まらず。遂には締めたシブの血で染まった氷水もたまらず飲んだ…まさにそれは砂漠で水を求める人のように。ようやく2人は生き返った。良く見ると後輩の口のまわりは夜明けの朝日とシブダイの血で染まっていた。

 

しかし、本当の地獄はこれから始まる。

 

1つ目の地獄…二人を待っていたものは、腹を下し帰りのトイレの入れ食いだった。

 

そして、2つ目の地獄は…期待通り下痢は収まらず、翌日の仕事を休んでしまった。

 

皆さん、水分補給は頻繁に取りましょう。なるべくクーラーの氷水は飲まないように。まぁそんな人はいないとは思いますが。どうしても飲みたい人は下痢止め飲用をお勧めします(*^^*)♪