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【磯に表札を】宮崎の地磯サボテン公園 カラス編(第一話)

俺のホームグラウンドである地磯サボテン公園。面白いことはいつもこの場所で起こるようになっていた。

 

目次
ホームグラウンドへ
地磯サボテン公園へ
キタマクラとは?

 

ホームグラウンドへ


俺はいつものように仕事を終わらせ、急いで車に飛び乗り、行きつけの釣具屋に電話をした。

 

もしもし。俺やけど、生1本出しとって!

釣具屋店長

はいはい!オレやさんですね、了解しました!

 

店に行くとすでに、パン粉と集魚剤に生をコンビニ袋に詰めてあった。支払いを済ませダッシュで海に向かう、時計に目をやると14時を指してる。今が満潮やな、と丁度始める頃には下げになってるはず。これはベストやなと心の中で1人呟いた。

 

見慣れた日南海岸を横目に見ながら走るこの道。そこで必ず確認する事が一つあった。今日の潮はどっちに行ってるだろうか?磯釣り師にとって何が大事ってやはり潮の流れが一番である。

 

いくつかの沖にいる船を見てみる。

 

うん!今日は間違いなく上ってるな。

 

そんな事を思いながら逸る気持ちを胸に道中を先急いだ。ようやく釣り場へ到着し、駐車場に車を止め、仕事服から戦闘服へ着替える。着替えると何故か気合が入り戦闘モードMAXになる。

 

ここはサボテン公園の地磯だ。昔は随分と新婚さんや観光客で大変人気の場所だったのに、別に新しい道路が開通してからは日に日に観光客も減り、サボテン公園は閉館となってしまった過去がある。

 

今ではほとんど車も通らなくなり、見かける車はほとんどが釣りをする者達の道路となってしまっている。地元の人間としては、昔みたいに活気が戻って欲しいと願うばかりである。

 

話を戻すとここは数ある中の1番好きなホームグランドの1つであり、なんせ約2~3分で地磯の釣り場まで行ける。シーズン中にはかなりの釣り人が通う人気の釣り場でもある。

 

駐車場から急な坂をくだり、すぐ20mほどで釣り場である。いつもの場所に荷物を降ろし、先客に挨拶と現在の釣果状況などを軽く聞いてみる。

 

ここはほとんどが常連で占めている。時計を見るともう15時前だ。時間も少なくなる前にさっそくコマセ作りに取り掛かる。コマセを作り終え仕掛け作りをやってると、先端でやっていたえびの市から朝早くやってくる常連のSさんが

 

常連Sさん

どうも!もうコマセもなくなったんで俺はもう帰りますわ、ここに入って下さい!

 

場所を譲って頂く。俺は遠慮なく入れてもらう事にした。やはり常日頃の挨拶やコミュニケーションを取っているとこういった場面も多くなってくる。早速バッカンを運び、撒き餌に専念することにする。

 

地磯サボテン公園へ


いつもここではこんな感じで誰かが、入れてくれるので有り難い。コマセを打ちながら様子を見てると、底の方にいい型の尾っぽの白い良型クロが見える。

 

間違いなく40cmオーバークラスで一緒にイズスミの60cmオーバーがいつもながら悠々と泳いでいるではないか。今日は潮も程よく流れていて理想的な潮壁ができてた。

 

逸る気持ちを抑えしばらくコマセ打ちに徹する。陽も傾きそろそろ時合を思わせる気配を感じた。

さて!やるか!

 

と自分で気合を入れ仕掛けを放り込む。投げたウキは潮に引かれ水道へと漂う。しばらくすると潮壁なのか、ウキが揉まれ潜り始めた。

 

ここが、一番の緊張の一瞬だ。次第に潮に揉まれたウキはもう見えない。ここではあまりウキの当たりを気にしない。どちらかと言うと糸か竿当たりで合わせをするように心掛けている。糸を張り、穂先できく

 

「コツン」

 

まだ当たりが小さい。そのまま待ってみた。仕方なく巻き上げると

 

あぁ~エサが付いてない。エサ取りやったか。

 

ここは割とキタマクラが多くて、おそらくエサ取りはキタマクラの仕業だろう。

 

キタマクラとは?

出典元:WEB魚図鑑

キタマクラ属魚類はフグ類としては側偏した体つき。体色は茶褐色から灰褐色で、若干の変異がある。体側には2本の暗色縦帯がある。雄の婚姻色は鮮やかな紫色。喉部から腹部にかけて小さな棘がまばらにある。体長は大きいもので13cmほどで、雄のほうが大きい。

 

気を取り直し再度仕掛けを投入。同じように流れてゆく。やはりそこに行くとウキが揉まれ入ってゆく。糸を張り、穂先できくしばらくすると、

 

「ガッン!」

 

大きな当たりが出ていきなり糸が走り出す。左に沈み瀬がある必ず食ったらそこに走る。糸を出さずに竿でためる、徐々に穂先が戻ってくるのであと少しだった。

 

奴が見えた。タモを手に取り波に合わせ、上手く一発でタモで捉えた。

おぉ!いい型だ!

 

40cmは優に超えていた。俺は1人微笑んだ。

 

釣ったクロを取りあえずタンポリに入れる。しかし、これがあとでとんでもない事になるとは、ここでは少しも思ってもいなかった。

 

続く…

 

https://gurenavi.jp/2017/0721234721.html

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