全ては1人から始まった,,,,,,,,,,,,,,

「3話 和歌山の磯に立つ」 石鯛 デビュー戦

 

 


 
 

あれから、早く石鯛を釣りたいと想いは膨らむばかり、仕事を終えると、食事をダッシュで済ませ
現場の近くにある池向かい、毎日毎日、投げの練習に励んだ、
夜には、本を読みあさり竿を眺めては磨き手入れする、そんな日々を繰り返してた、
そんなある日、昼になったので現場から事務所に戻り昼食を食ってると、
1本の電話が入った。出て見ると親方からだった。
「今週の土曜日に出ておいで」との事、
そしてまた、和歌山に行こうと、お誘いの電話であった。
毎日毎日、夢にまで見た、本当のデビュー戦だ!
この日の為に毎日練習を重ねようやく、
 

「本番だ~!」
 

と今にも飛び上がる想いだった
 

「あと、2日、あと2日頑張れば、石鯛に逢える」
 

と逸る気持ちを抑えた待ちに待った土曜日がやってきた
無駄のないように、段取り良く仕事をこなす、
ようやく長い一日が終わった、急いで食事を済ませ、
ダッシュで風呂に入り車に道具を積み込みむ
 

「竿は、ヨシ!リールはよし!仕掛けもよし!ライフジャケットよし!磯タビよし!ピップガードよし!忘れ物なし!」
 

と何故か?指を指し連呼する
仕事でのクセが抜けない,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
そう言う事で準備万端で出発した。
 
 

親方の自宅は泉北ニュータウン近くであった、車に乗ると割と飛ばし屋なので、
 

「今日は慎重に、いつもより慎重に ネズミ捕りに捕まったらヤバイぞ!」
 

と、己に言い聞かせた、
ようやく、師匠宅に到着する、
さっそく師匠と奥さんに挨拶を済ませ 荷物を積み込む
 

師匠いわく今夜は船宿でゆっくりして朝早く磯へと行くらしいので、早めの出陣となった。
途中に師匠のお弟子さんを乗せ笑顔になる
 

「いざ!和歌山へ!」
 

途中、石鯛のエサと人間のエサを調達し またハンドルを握る 
車のラジオから流れ来る拓郎の「夏休み」を聞きながら 車は軽快に湾岸ロードをひた走る
我々一行は ぼんやりと明かりの灯る船宿にようやく到着した、
まだ、早いって言う事で取りあえず仮眠をとることにした、しかし、
気持ちが高ぶっていて直には眠れそうになかった
 

しかし、師匠等はすぐさま高いびきをかいていてる,
うらやましい限りである どれ位時間がたったんだろう?
船宿の扉が開き続々と釣り人が出てきた。
 

「おはようございます!」
 

と挨拶をすると、向こうも微笑み返ししてくれた、何となく話声を聞いてると地元みたいな感じがした、

それから、暫くたって船長さんがやってきて
 

「皆さんおはようございます!準備をして下さい!」と
 

みんなに言っていた
 

「師匠!船長が来ましたよ!」
と言うと、すぐさま起きあがり
 

「さ~あ!気合を入れて行こう!」
と肩を強く叩かれた
 

車から道具を下ろし
船に荷物を積み込み終え乗り込んだ
客室へと行く、多くの釣り人の群れで満員御礼状態 
そんな常連さんの中でいっぱしの釣り師を装う俺だった、
 

しばらく少しでも寝ようと目をつぶるが所詮高ぶってるので
眠れぬまま時だけが過ぎてゆく、
しばらくすると急にエンジン音が小さくなる、
外に出ると、
 

真っ暗な礒岩に船のサーチライトが当たり初めて見る
幻想的な世界がそこにあった。
次々に人が降りていく、師匠はまだ、座ったままで、
 

「慌てるな!わしらは、最後のはず、まあ~座っとき!」
 

みんなも笑いながら、タバコを吸ってた、逸る気持ちを抑え腰かけ、
タバコに火を付け「ふ~うっ!」と一息つく
 

「次行きますから、荷物を出しておいてください!」と船長の声がした
「よし!、いくぞ~!」と気合いの入った師匠の声が響いた,,,,,,,,,,,,,,,,,
 

サーチライトに照らし出された岩は感動ものだった、
全て降ろし終わり、帰りゆく船に手をふった。
 
 
しばらく、夜が明けるまで、動くなと言われ、少し眠ろうと目を閉じた、
 

「起きろ!」
の声に跳ね起きた、辺りは夜明け前の景色が広がっている
みんなは、すでに、準備をしてる、師匠は一合瓶の酒を持ち、
 

「御神酒を上げるから手を合わせ祈願しろよ」
 

と、朝日の登りくる先端に立ち御神酒を撒き、みんなも師匠に合わせ二礼二拍手する。
 

「アキ!お前の練習の成果を今日は見せてもらうからな、先に仕掛け作っていいぞ!」
 

師匠はウニがらを打ち始める  急いで竿をセットし仕掛けにかかる。
ピトンを打とうとウロウロしてると、
 

「お前は、そこでやれ!」
 

と指を指す、そこは、潮が当たり良さそうな感じがした、
全ては本の情報でしか知り得ない事で、はたして,通用するかわからなかった
 

「さて!」
 

初沖磯 1投目 投げた、いい感じで飛んでゆく、練習の成果でパーマもなくうまくいった。
それを見ていた師匠が
 

「おお~!なかなかええやんか!」
 

と拍手してくれた。
俺は竿を立て戻しと海溝を探す、何度か繰り返してると、スーット糸が入ってゆく所を見つけた、
これは師匠から学んだ技だった。
 

竿をピトンに掛け、尻手ロープをかける座り込んだ
どれ位たっただろう?
穂先を見てると
 

「コツン、コツン」

と前当たりがあった。
 

「師匠!今、何か当たりました!」と叫んだ、
「まだまだやどぉ~慌てるな!」
 

と言った、まさにその時、穂先が海中に刺さった!
慌てて走り寄り竿をピトンから外し持ち上げた、,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
すると、重量感のある手ごたえが伝わって来た、それから、奴は走り出した、
チヌ釣りしか、やった事のない俺は
 

「なんじゃ!コイツ!エライ走りよる」と思った。
 

とても糸の巻ける状態ではなかった。 腰でためながら耐えた、,,,,,,,,,,,,,,,
 
 
 

次回につづく,,,,,,,,,,,,,,,,,最終章 完結編