猿の惑星 (幸島編) 後編


エサ取り姿もあまり見えず静寂な時間が過ぎてゆく
再び気合を入れなおし、ひたすら撒き餌をする
その時、予想を超えた事件が起きた!
同じリズムでバッカンにシャクを そしてマキエを掬い瀬際 潮目へと打ち込む
ただ一点沖を見つめ コマセを…と シャクをバッカンに入れた時 「コツン」と何か硬いものを感じた
何か違和感を感じた
ん?
「何?これはなんじゃろ~?」
とバッカンを見ると えぇ~!何で~?ビックリして思わず声が出た
それは何と猿の頭だった

「こら~!」
心臓はバクバクが止まらず何でここに猿がおるん?
何処から来たん?コイツ
良く見ると両手にはコマセを握り頬一杯頬張り口の周りは沢山のパン粉をつけコチラを見上げている
目と目が合った 猿は歯を剥き威嚇する
こちらも負けじと睨みつけた 危険を察知したのかヤツは後すざりする
目を外すとヤバイのでそのまま睨み続けた

それはとてつもなくこんなにも時間を長く感じた事はなかった
ようやく諦めたのか後向きに歩き出し海に入り泳ぎだし仲間の待つ向島へと帰って行った
しばしの間バクバクが止まらなかった
今までメンチ切ったのは人間と犬ぐらいのものだった 猿とは初体験であった しかしヤバかった
離れ島と安心してたので まさか?泳いで来るなんて想定外ではあった「サルは絶対こんから!」との船長の言葉が浮かんだ….
何かやる気が失せ暫くタバコをふかしながら横になった
いつの間にか眠ってしまい気がついたら4時になってる
「ヤバイ!」
飛び起きコマセを打ち竿を握る
納竿まであまり時間がない焦る気持ちで仕掛けを流す
付け餌はついたまま 何度も打ち返す
「まだコマセが効いてないないんだな」
仕掛けにコマセを被せ 暫くそのまま流してみた
すると全游動00がゆっくりシモって行く
「当たりかな?」
浮きは完全に見えなくなった 出てゆく糸を指で押さえた
その時 「ギューン!」と穂先を押さえこんだ
「来た!」
いきなり走り出してゆく 押さえた糸を離す
勢いよく糸が弾き出る しかしすぐに止まった
レバーブレーキで糸を出すとテンションがかかりすぎ中々止まらず終いには瀬取られるのがおちだ
抵抗をかけず一瞬で出すと これが割と早く止まる
ヤツは止まった 今がチャンスと強引にこっちを向かせる
こっちを向けば何とかなる 少しづつ間合いが縮まってくる
ようやく差し出したタモにと入ってくれた
まんまるとしたクチブトだった
もう納竿の時間が来るので磯を洗い流し船を待った
またひとつ引き出しが増えた一日だった。