我1人海に立つ (第1話)

この頃は 仕事の流れも充分理解出来てて 基本的に釣りのスケジュールに合わせて仕事をやってた自分がいました 行きたい時には徹夜も覚悟で 今になればバカな奴だったんだな~とあきれてます…….

 

到着 まだ設計事務所は来てない
時計に目をやると 8時20分

 

「ちょっと早すぎたか!」

 

待ち合わせ時間は現場に9時と言われたし 早いのは何の問題ないし
まだ少し時間もあることだしと
途中で買った朝食代わりのサンドイッチを取り出し頬張る
缶コーヒーを飲み干し 一服してると 向こうから

 

「おはようございます!」

 

いつもの笑顔で設計事務所のT氏が来られた
お互い朝の挨拶を済ませさっそく店の中へ
T氏はショーケースに置かれた物をどかし
鞄から取り出した図面広げ平面図を見ながら

 

「ここをこうしてああして」

 

と細かい打合せが始まった
1時間ほどの打合せも終わり 俺はカメラを取り出し内部を撮る
工事に取り掛かる前には必ず着工前の写真を撮るのがルールである
言わば

 

「これがこうでこうなった」

 

今でよく使う「before‐and‐after」

 

打合せも終わり待ってもらっていた、協力業者さん達を集めこれからの
手順と流れを説明した ようやく全て終了したのは12時を少し回っていた

 

「さて、今日は仕事 これで終わり メシ食っていざ磯へ!」

 

皆さんに明日からの仕事をお願いして現場を後にした。

 

「こんちわ~!」

 

と店に入った

 

「あら!どうしたね?今日は?」

 

と船長の奥さんが
いつも朝早くしか来ない者が昼過ぎ しかも作業服で?現れたものだから

 

「そこのアーケードのA店舗の改修工事を請けたから」

 

「ああそう~!いつもお客さん入ってるしね 儲かってるんだ~」

 

と笑顔で答える奥さん

 

「今から沖に行きたいけど?船長は?」

 

「いるよ!呼ぼか?」

 

「うん!」

 

「お父さん!F君が来てて船出せるかって?」

 

ドタドタと廊下を歩いてくる音がする

 

「おお~来たか!港に行っとけ!」

 

ニコリともせずいつもの船長が現れた
表に出してある沖アミ一角と集魚剤パン粉を車に乗せ港に向かった
道具を降ろし準備をしてると船長がやってきた
いつものように船に道具を積み込み操舵室へ入ると

 

「今日はいい上りが入っとるかい がんばれよ!」

 

とニコリもせずにボソッと言った、

 

「船長どこ空いとる?」

 

と聞いてみた

 

「いい所は皆乗ってるから 半五郎でやってみるか?」

 

「えぇ~そこは石鯛のポイントだろう?」

 

と口には出せず心で呟いた…….

実は今まで誰ひとり上物やってる姿一度も見た事がなかった よく見かけるのは 南方宙釣りの石鯛釣り師ばかり そんな事で あまり自信はなかったが やってみることにした。

 

「5時に来るから」

 

一言言う船長に満面の笑顔で手を振りと
それに答えるようにニヒルな笑顔で帰っていった。

 

「さて、あまり時間がないので頑張てやらないと」

 

すでに時計は3時を指していた…

 

続く…