クロ釣りの原点編「家族」(第2話 最終章)

誰でも幼い頃 父親に連れられ川や海に行った記憶がおありだろう
やがて大人への階段を登りながら 何かの出会いあり それをキッカケに色んなジャンルに突き進んでいく 片や野球だったりサッカーだったり 

それは出会いもしかり そんな環境だったりする。
自分も もし オジキが釣りをしていなかったら              今はこうしてパソコンとにらめっこなぞしてないだろう
やはり全ては縁がもたらしてくれるものだと言っても過言ではないだろう……

 


その日を境に磯の歴史が変わった…
その日の夜、船長宅に呼ばれ こう言われた

 

「やっぱりお前の言う通りや フカセ釣りとか言うやつはすげぇ~な! いつもあんなにコンスタントに釣るのが凄い!
「今まで、ずっとカゴ釣りと一緒に乗せてたけど、カゴの連中が最近かなわんといつも言うとる」

 

「これからこんな釣り方に変わってくるんやろうと考えさせられた そんな事で今度からカゴ釣りとフカセ釣りを
分けて乗せることにしたから それから何人かが お前にカゴ釣りをやめるからフカセ釣りを教えて欲しいと言うとった」

 

「そう言う事でよろしく頼むわ

 

と笑顔で言った

 

「そうそう今朝はすまんかったあの時お前に1人でやれって言ったのは カゴの客と賭けをしてよ お前が勝てばフカセとカゴを分けて乗せるようにすると お前が負けたら1万だった、助かったよ お前が勝って ありがとね~」

 

笑いながら語る船長だった

今こそカゴ釣りと一緒になんてありえないが 当時はフカセがほとんどいなく、

当然のようにカゴ釣りと一緒だった、そんな過酷な時代だった
そんなフカセを確立する為に手探りの状態で 何んの見本も手本もなく ただ、ひたすら試行錯誤を繰り返す毎日
どうしたら食い渋りのクロを攻略できるか? そればかり考えあの手この手をつくし 幾つかの冬を数えてた

 

そんな事は 今なら、本を開けば一行二行の解説で済まされる
何と恵まれた環境だろう 今から始める人もすぐに上手くなれる

手本、見本があり先生に手取り足取り指導をもらえば手っ取り早い

しかしながら、我々が沢山の月日をかけそれでもまだまだ、極められないこの釣りの奥深さはなんだろう?

 

知れば知るほどに これと言う答えなどないこの世界
釣りを通して沢山の出会った人達に 何か伝えられているだろうか?
いつも想う事は あの人と出会えた事で今の自分があり あの時、ただ通り過ぎていたらまた違った人生を違う道を違う人と歩いているだろう

 

釣りと巡り会い色んな事を学なび 色んな人と語り合った
そしてひとつの目標が出来、その為に一生懸命働き頑張った
やがて手の届く所までいったけど その内に目指すものが少しずつ少しずつ変わってきた

 

 

それは家庭と言う大事な物であった

 

それは、生きてゆく上に必ず通る道であり人間のなすべき事である
そんなわかりきった事ではあるのに 中々難しい事でもある
釣りに没頭し過ぎた為 大事なもの大事な人に悲しい想いをさせてしまった
この世の中 一度にふたつを手に入れる事は不可能であるって誰もが知っているのに何故?
そして手に入れた喜びに酔いしれ、失ったものに気づかなかったあの頃

 

そうさ ひとつ手に入れたら 何かひとつ失うものがあることを忘れないでおこう

 

完…

maxresdefault