離島へいざ!尾長グレ編(第2話)

少し慣れてくると 欲も出てくるもので 近場で満足出来なくなった

まだまだの 未熟者釣行記である。

 

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枕崎まで遠い道のりである、現在は高速道路が伸びて割と早く行ける距離だけど

当時は鹿児島市内まで高速であとは地道を走ったもんだった
宮崎~枕崎までの所要時間は約4時間位 かかったと記憶している。

 

そんなドライブでも別の楽しみもあった それは こっちに来るとよく立ち寄るうどん屋さん
ここのうどんホントに旨いのである

 

何のトラブルもなくルンルンのドライブ中盤 朝が早かったせいか
さっきから腹の虫がさっきから騒いでいた
じゃあ~ ここでちょっと早い昼食を済ませましょうかと1軒の食堂に入った
何とか腹を満た我々は また一路 ひたすら枕崎を目指したんである

 

ようやく目的地である枕崎港の看板が目に入ってきた
看板に導かれるように左にハンドルをゆっくりと切る
後ろからついてくるカズのトラックがバックミラーに写る

 

「ヒロシ そこの釣具屋にチョット寄ろうか?小物を買うから」

 

買い忘れた物を補充し船の待つ港へと車を走らせた
しばらく走ってると慌ただしくポーターとエサを積み込んでいる船長の姿が見えてきた
車を降り挨拶をかわす 今回お世話になる 宝栄丸船長吉村さんだ

 

「久しぶりです!」

 

ヒロシが船長と親しそうに話している
状況的に好調だと先週も60オーバーがかなり出ているとの事で
丸瀬に瀬上がりする事となった

 

みんなで手分けして荷物を積み込みやっとのことで出船となった
ヒロシを除く我ら5人衆は船底に降りひと眠りすることにした
やがて船は港を出ると徐々にスピードを上げてゆく
少しウネリがあるようだ 昨夜あまり寝てないせいか船の揺れが心地よく眠りを誘った
どれくらい経ったろうか?
背中を小刻みに打っていた船の振動が小さくなりヒロシの声で目を覚ます

 

「着きましたよ!」

 

目を覚まし周りを見渡すと何故か違和感を覚えた

 

「ん?臭さ~!」

 

横を見ると何と大きな青のタライに満タンのゲロが…満杯
いつの間にこんなに大量のゲロを誰が?
犯人は誰?
ふっ~と 横を見ると口の周り白くした4人組がだらしなく横たわっていた
よりにもやってそれを見たヒロシもつられるようにゲロをする
まだ4人組は起きる気配すらない すでに半死の状態である
しかたなく操舵室に上がり船長に話をすると

 

「少しウネリがあったから酔ったんたんやね」

 

としばらくみんな起きるまで待とうと優しく言ってくれたが
非情にも俺は

 

「30分したら起こせや!」

とヒロシに言った
時間がきたのかヒロシが下に降りていった
しばらくすると半死状態の4人が青い顔で起きてきた

 

「さあ~瀬上がりするぞ!」

 

と声をかけるとけだるそうに荷物を運びようやく瀬に降り立った
一通り高い所に荷物を運び終え さて とりあえず夜釣りまで時間もあるし
クチブトでもやろうかと振り返ると 何と4人組はまた死んでいた
しょうがないのでヒロシと二人でやる事にした

 

船長の話では瀬際1m以上離したらダメと聞いていたので
コマセを瀬際に30分ほど撒き様子をみる 良く見てるとクロが下から縦に浮いてくる
こんな光景今まで見たことなかった 逸る気持ちを抑えハリス1ヒロ 固定で臨んだ
エサをつけウキが馴染むといきなり当たってくる
しかも引きもハンパない竿は1,5号なので糸もやらずタメきれる
もう2人で入れ食い状態である
サイズも40~45cmまで良型揃い死んでる4人には申し訳ないが入れ食いモードとなった
それも ちょっと飽きもきて潮目狙いで もしかしたらオナガでも と流すことにした
当たり潮が程よく沖に払い出してゆく  竿2本ほど投げ潮に乗せ流してゆく
ウキがシモリぎみになってくる 本流との潮壁だろうと心でつぶやく
その瞬間押さえた糸が指から弾けた

 

「来た!」

 

かなりの勢いで糸が出てゆく しかし急にピタッと止まった
よしと思い竿を起す すると奴が反撃に出る

 

「ん?オナガ?」

 

奴はかなり走る 糸は巻かずに竿で何とかいなす

 

「よし!こっち向いた!今だ!」

 

竿を起し巻きにかかる  何度かの締め込みをかわし ようやくウキが見える所まで寄せてきた
あとはタモ入れだけだ 心配そうに見ていたヒロシがタモを持ってやって来た

 

「先輩!オナガですか?」

 

「わからん!何かようガブリよるしなクチブトではないな?もしかしたらヒツオかも?」

 

何とかやり取りの末穂先が戻りはじめてきた 観念したようだ
ようやく魚体が見え始めた

 

「え~!やっぱりな~」

 

「白メジナ?」

 

タモに収まったのは50オーバーの丸々としたイズスミであった
その後も沖目を狙うが竿を曲げるのは全て同型の白メジナばかり
ヒロシを見ると相変わらず瀬際狙いで入れ食いモードに入っていた。
やはり、船長の指示は適格だった

 

「瀬際ですよ!沖に流したらイスズミの入れ食いですからね!」

 

と降りる時に言われてた
そんな事思い出し

 

「今日はこれぐらいにしとこう~」

 

と納竿にした。
残念ながら半死の4人組が起きてきた頃にはすでに夕陽が海に沈みかけようとしていた

 

※注)ヒツオ 白メジナ(イズスミ)

 

続く…